先を見るという事


ボクが今の会社に入社したとき、現在某コンテンツ部門の部長をされている方が番組で使うソフトウェアの開発をしていた。 でも、能力がなかったので陳腐だったし、いい加減なモノだった。
間もなく彼は、当時下にいた現在制作技術部門の副部長をされている方に、その仕事を押し付けていった。 押し付けられた方は動かないソフトウェアを動かすようにすることで精一杯で時代の流れに乗った改修をしていくなんて言うところまでは手が回らなかった。
暫くして、その仕事はボクのところに回ってきた。 引き継いだ段階では前任者と同様に動かないソフトウェアを動かすことで精一杯だったが、同じ事を繰り返すことは時間の無駄であると考えて中身の解析をした。 結果、改修を加えていくよりもゼロから作った方が早いと判断して作り始めていった。 また、それまではソフトウェアの遅さをハードウェアを毎年のように買い換えることで補ってきていたが、全くのムダなのでソフトウェアの最適化と表示系を機械語化することで高速かつ高機能にすることにした。
ボクがその時に学んだのは、「急いては事をし損じる」と言う事だ。 目先だけを見ていれば確かに継ぎ接ぎだらけの改修を続けて、ハードウェアを毎年のように買い換えれば良いだけだったが、もっと先を見たときに行き詰まるのは明白だったのでゼロからの構築に踏み切ったのである。
結果、当時はいわゆるBASIC言語の時代でOSなんちゅうモノはなかったのであるが、やがてMS-DOSの時代が来たときにもスムーズに対応できたし、Windowsの時代(NT4まで待った)が来たときにもスムーズに対応できた。 当然、表示系は高機能になっていって使える色数も増えていったし動きも付けられるようになっていった。 実は、Windowsの時代には1台のPC画面上にFillとKeyを作画してスキャンコンバータで切り出す事により「半抜け」の画を作る事もやった。 コレは他局では行っていなかった裏技であった。
時代は変わり、番組用のリアルタイムCGも専用のハードウェアを使う時代になり、その購入の時にもそれまでのノウハウを提供する事で高機能なモノを作れるようになったし、使う側の腕さえあれば非常に高度な動きを付けたりキレイな画面を提供する事が出来るようになった。 ただ…それを入れた直後(運用開始直前)にボクは異動になってしまい、ハードウェアの能力を殆ど活かされる事がなくなってしまったのだが…
何を言いたいかというと、何やら押し付けられた仕事を行うときに「何をするのが先を見たときにベストなのか」を判断して行動すれば、そこで作られたモノ・得られたモノは将来にわたっても有効なのだという事である。 そして、決して立場によって(仕事に対する)身分が保障されているわけではないという事である。
ボクはいろんな人たちに「先を見て仕事をすべき」と言ってきた。 理解した人・しない人・出来ない人。 人それぞれなので強要はしてきたつもりはないが、結果は…言わずもがなである。


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