ここに来て、国会議員さんの航空会社利用時におけるマイレージの返上という話が出てきていますが、それって問題を履き違えているような気がします。
事の発端は、いわゆる「居酒屋タクシー」問題なのですが、ここから派生して「役人の出張時におけるマイレージを役所でまとめて集約する」という話が出てきて、次のステップとして先の問題が出てきたわけです。 役所の対応理由としては「公費で出張しているのにマイレージを個人につけるのは国民の理解が得られない」という事のようですが、正直なところ「別にいいじゃない」と思っています。
まぁ、民間企業の中にも出張で発生したマイレージを会社につけるというのは実際に行われている話であり、その理屈からすれば「役所につける」は正しい選択かもしれません。 しかしながら、出張は(少なくとも民間企業の場合)楽な話ではありませんので、ご苦労さんの意味を込めて「あえて五月蠅く言わず、個人につける」企業も多いのが実態です。 それからすれば、役所だって従来通り個人に付けても良いのではないかと思います。
そもそも、航空会社のマイレージサービスは全ての利用者に等しく提供されるサービスであって、役人だからと言って特別扱いされるサービスではありません。 しかしながら、居酒屋タクシーは全ての利用者に等しく提供されるサービスではないことは周知の事実です。 その様な「特別扱い」されているものと、「特別扱いされていないもの」を同列で議論する事自体ナンセンスな話だと思っています。
国会議員さんだって然り。 国民に選ばれた特別な人たちですから「スーパーシート」や「ファーストクラス」を利用する事に何ら疑問は持ちません。 当然の事だと思っております。 しかしながら、その様な特別な座席が満席で「エコノミークラス」を利用されている国会議員さんを何度も見た事があります。 正直なところ、特別な職にある人間が「エコノミークラス」を利用するなんてナンセンスな話だと思っておりますが、満席であれば仕方のないところでしょう。 一般の利用者と同列で扱われているわけですから、問題はありません。 ましてや、マイレージサービスは全ての利用者に等しく提供されるわけですから、そのサービスを享受する資格は充分でしょう。
どうも、日本のお役所は「何か問題が発生する」と「右へ倣え」的に一斉に動くクセがあります。 でも、重要なのは「意味のある」迅速な行動であって、無意味な行動ではないのです。 国民感情を理由に規制を強化したりしますが、本当に国民感情を理解しているのでしょうか? 理解しているのならば無意味な行動はいい加減止めていただいて、「意味のある」迅速な行動を行って欲しいところです。 問題を履き違えてはいけません。 国民は何に腹を立てているのかを十分理解された上で行動される事を望みます。
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